急変時にどうするか、確認しておく
年寄りの介護というのは、常に死と隣り合わせにあるものだ。
普通の病人なら、健康を取り戻すという目標があるが、老人介護となると、ゴールは残念ながら死と言う事になる。
人生というのは死に向けて進んでいるのだから、介護の最終地点が死というのは当然だが、ちょっとむなしい話やね。
介護されている方も、介護が大変になるに連れて、周囲の家族が自分の死を期待していると感じだしたら、でも死にたくても死ねないなら、やりきれないだろうね。
元気に散歩などをしていて、ちょっと体調を崩して、数日後に死ぬというのは一番いい死に方かも知れないが、そうそう都合良く死ねないのが、人生らしい。
釈迦は「生・老・病・死」の四つを「四苦」(しく)と呼んで、その苦しみからは逃れられないものだと言ったが、まさにそういうものらしいね。
年寄りの健康状態・持病を確認して、表にしておく
年寄りで健康な人というのは、まず滅多にいない。
毎日複数の薬を飲んでいたり、定期的に病院にかかっていたりするのが普通だ。
だから自宅で介護する場合は、どういう薬を飲んでいて、かかりつけの病院や担当医について、目につく場所に書いて貼っておくべきだろう。
それから健康状態が急変したときに、すぐにそれが分かるように、手元にもメモを作っておいた方が良い。
既往症や常用薬、最近の健康状態など、いざとなったら説明する余裕などない。
だから書いておいて、見せるなり渡すなりしないとダメだ。
また、深夜や休日などでも電話できるような病院やセンターもしっかり調べておく事も必要で、これも目立つところに書いて貼っておく必要がある。
考えられる、想定される全ての事態に対し、どう対処するかシミュレーションをできる限りしておく必要があるだろう。
もちろん家族が死んだときにどうするかも含めて。
覚悟ができていれば、余裕も生まれる。